2009年03月07日

忠告

「ウンコしてくる」って言うと、たまに「俺の分もしてきて」って返すやつがいるんで、そろそろはっきりとクギを刺しておきたいんですけれども。

まず全然おもしろくない。
全っ然、おもしろくない。
それでも言われたほうは無視するのも感じ悪いってことで、いちおう乗っかるなりツッコむなり愛想笑いするなりしなきゃいけない。
もうウンコ行く前からウンコ踏んだみたいな気分ですよ。

しかもそういうやつって「オレおもしろい」とか思ってるからね。
出会い系サイトのプロフィールに「人からおもしろいやつって言われます」とか書いちゃうからね。
もうね、これ読んでてもし心当たりあるならね、本当に、決して嫌がらせじゃなく、純粋にあんたのためを思うから言うんだけど、そのやりとりはもう死ぬまで封印したほうがいい。
あと自分自身に対する評価も、本当に謙虚になってもう一度考え直したほうがいいと思う。
言いたくないけど周りのあんたに対するおもしろ度評価は間違いなく100点満点で1桁台だよ。
いやいやマジで。

もっと言っちゃうと、その年齢までそういう感じで生きてきちゃったわけだから、今から修正しておもしろくなるのはもう完全に不可能なの。
だからもうそっち方面はすっぱりあきらめて、二度とおもしろいことを言おうとか考えないで生きていくのがいいと思う。
おもしろさとは別の方向で、あんたの才能を生かせる場所がきっとあるから、それを前向きに探すべきなんじゃないかな。
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2009年03月06日

ぜいたく

金曜にかかってくるはずの仕事の電話が今日かかってきて、まだ早いだろう何か問題でもあったのかと思って電話に出て、はじめて今日が金曜だということに気づいてびっくりした。

これまで妻が帰省するときは必ず多忙であったが、今回は、まる5日ほどぽっかりと暇ができた。
いくつかこの隙間を埋めるような依頼はあったものの、せっかくの気ままな生活を楽しみたいと思ってすべてことわってしまった。
どうせいくらにもならない仕事だし、がむしゃらな若手でもないし、今更それを引き受けようとことわろうと何も変わらない。

何時間寝ていても何時間起きていても誰からもとがめられないとなると、本気で昼夜の感覚がなくなって、時計を見てもそれが午前なのか午後なのかがわからないということが多々あった。
外が明るいから起きる、ということは僕に関してはまったくなく、目が覚めれば朝の4時だろうが夜の8時だろうが突然むくむくと布団から出て、なんとなく疲れて布団が恋しくなるまで活動する。
歯磨きは起きたときや毎食後にきちんとしていたけれど、風呂となると正直かなりいいかげんだったように思う。
起きたらいきなり酒を飲んで、寒いとまた布団に入ってニンテンドーDSをやって、疲れたらそのまま二度寝して、寝すぎて頭が痛くなって仕方なくまた起きて、録り溜めたテレビ番組を消化していく、という具合。
結局、この5日間で最も遠い外出は徒歩3分のツタヤであった。

外食は一度もしていないものの、お酒だけは毎日たっぷりと飲んだからそこそこお金は使ったような気がする。
他人がどう思うか知らないけれど、これはこれで個人的には満足していて、とてもいいリフレッシュになった。

ただしこれは期間が定められているから楽しめることであって、いつまでもこんな状態が続くのだとしたら僕は早々にリクルート雑誌を読み始めると思う。
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2009年02月27日

さびしさ、わくわく

3歳と1歳の子供を持つって状態はなかなかに大変で、しかも僕のように家で仕事をしている者にとっては時として耐えられないようなストレスになる場合がある。

大事な電話の最中だとか、何日か徹夜してやっと布団に入れた瞬間だとかに耳元でぎゃーぎゃー泣かれたりすると、かなりの子煩悩を自覚している僕ですら、ちょっとまあ、イラっときてしまう。

もっと若いときであったらつい感情に任せて怒鳴ったりしたかもしれないけれど、僕は力なく「頼むよ」と言うくらいしかできない。
妻はとてもよく気がつく女性なので、この一言ですべてを察して、すぐに子供を連れて買い物に行ってくれたりする。
それでも、たとえば風呂にはどちらかが入れたらどちらかが拭いて服を着せなければいけないし、すべての世話を妻に任せっきりというわけにもいかない。
僕はいま年に数度の繁忙期でほとほと参っていたところ、育児休暇も終わりに近いから親に孫を見せてくると言って、妻が実家に帰省してしまった。
ずいぶん長い期間だ。

思えば子供が2人になってから、僕が長い間ひとりになるのは初めてのことだ。
毎日わいわいとにぎやかな家にひとり残されるのは寂しいことではあるが、仕事だけはいくらでもあるから退屈はしない。
でも独身時代には当たり前に付き合っていた真の静寂が、なんだか旅先の空気みたいな他人行儀さで僕を包んでいて、コーヒーの味もいつもより濃い気がする。

腹が減ったので米をといだら水が冷たくてびっくりした。
そういえば自分で米をとぐのも久しぶりか。
そしてこの家のきれいさはどうだ。
僕ひとりならこんなにも散らかさずに生きられるのだ。

義母がとにかく孫に大はしゃぎだというメールがあった。
楽しそうでなにより。
地球はしっかり回ってる、となんとなく思う。
しばらくすればこの新鮮さにも馴れてしまうのかもしれないけど。
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2009年02月20日

前向きに

学生の頃は20時間連続でファミコンやっても視力1.5を維持できていたのだけれど、仕事でPCに向かうようになってからあれよあれよと視力が下がった。
疲れてくると40〜50cm先のPCのモニターの文字が読めない。
測ってないから現在の視力はわからないけれど、まあ日常生活には問題ないのでふだんは裸眼で生活している。

前回の免許更新時、つまり5年前の視力検査の時点でもうほとんど見えてなくて、半ば当てずっぽうで右とか上とか答えたら運よくパスした。
メガネも持ってはいるものの、免許の条件欄に「眼鏡等」って書かれることに抵抗があって、できれば今回も裸眼でパスしたいなあと思いつつ、でもいちおう保険のためにメガネは持参して、先日更新に行ってきたところ、今回もぶっちゃけ全然見えなかった。
変な乱視が入ってて、Cの右があいてるのに左があいてるように見えたりする。
で、「左」って答えたあとに、検査官が一瞬とまどって沈黙する。
合ってればすぐ「はい」って言うんだけれども。
そのとまどいを即座に察知して「右」って言い直すわけだ。
そのあとも一回「上」って言ってから目を凝らして「下」って言い直したら、検査官に「えっと……、一問一答ですからね」ってクギをさされた。
そんなこともありながら、今回も晴れて裸眼で更新。
あ、ちなみに運転するときはメガネかけるんでだいじょうぶですよ。

しかしこの5年の間にいろいろあった。
僕はその間に離婚して、再婚して、子供を2人授かった。
いろんな思い出が詰まった僕のクルマ"うさぎ号"も処分しちゃったし、住居も変わった。
以前より腹を立てることが少なくなったし、担当編集はほとんど年下ばかりだし、アタマよりも先にヒゲがすっかり白髪になった。
肩こりが前よりひどくなっただけでなく、最近ではひざがときどき痛むようにもなった。
これじゃまるでオッサンやん、と、ひとりで笑っちゃったりする。
まあでも実際オッサンっちゃオッサンか。
いや……、うん、でも……オッサンか。だよなあ。

久々にカラオケいきてえ。
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2009年02月05日

からっぽアピール

僕が尊敬するあるお人が、飲みの席で男女が自分はSだとかMだとか語り合う手順が興味ないし面倒くさいといった旨の発言をしていて、まったくその通りだと思った。

かわいい女の子が「根っからのドM」を自称するときのみ、どれ話を聞いてやろうと思わないでもないけれど、その場合であっても結局は「彼に冷たくされるとたまらなくなっちゃう」とかいう程度のくだらない内容で白けるばかりである。

血液型の話題もそうだけれど、オマエらは自らのからっぽぶりをどれだけアピールすれば気が済むんだといつも思う。
どうせ女性に質問するならクリ派か膣派かを聞いたほうがよほどためになる。
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2009年01月22日

DSにおける推理モノの飽和状態について

ニンテンドーDSで推理アドベンチャーが意外に売れるジャンルであることに目をつけて、また小規模なアタリショックが起こっている。

僕のようなミステリマニアから言わせると、このジャンルは基本的にくだらない。
まあくだらないですよ本当に。
20年以上も前のコマンド総当たり方式からなんら進化してない。

どのタイトルかは言わないですけどね、二十面相がダイヤを盗みに来るって予告状を寄越したとたん、もう何年も行方不明だった長男が急に帰ってくるわけです。
その時点でまあ普通はお前二十面相だろって話になると思うんですけど、主人公の小林少年は「なかなか頼れそうな人だな」なんて感想しかないわけです。
で、犯行時間が近づくにつれて金庫にしまったダイヤが心配になって「金庫から出してみてみよう」って展開になって、家の主人と長男の2人で見守ってたら、どこからともなく転がってきたピンポン玉に一瞬気をとられたスキにダイヤがなくなったって言うトホホな展開。
「いったい二十面相はどうやってこの厳重な警備をかいくぐれたんだ!」じゃないですよ本当に。
僕が家の主人なら目の前の長男に向かって「オメエふざけんな」で終わりですよ。

短期間かつ少人数で作ってちょっとだけ売って小銭稼ごうって姿勢が、まあ経営的には仕方ない部分もあるとは思うんだけれど、それがあまりに見え見えだとその小銭すらも稼げずに終わるってことです。
そんなの作って「任天堂タイトルばっかり売れてサードにはうまみがない」とか逆ギレされても。
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2009年01月15日

捏造国家と、胸がちくちくする話と、妙な巻き舌について

ヘタリアの件は当サイトでは触れません。

* * *

さて、いまさらだけど鳥居みゆきがきれいだと思う。
誰かに似てる似てると思ってたら、数年前に僕が好きだったあの子に似てるんだと気づいた。
彼女自身もきっと去年あたりからいろんな人に「似てるね」って言われているだろうし、彼女の性格からするとそれがかなり気に食わないんじゃないかと思う。
でもまあ鳥居さんもかなりの美人だから腹を立てなくてもいいんじゃないかな。
幸せに過ごしているといいけれど。

* * *

石山実乃についてもヘタリアと同じ理由で触れません。
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2008年12月15日

乞食たちと、僕の得がたき幸せについて

「タダが当たり前」の時代は終わる?

終わりません。

* * *

http://saw5.jp/

4まではjpドメイン取ったのに、5は一般人に取られてしまったSAW。
本当の「SAW5」公式サイトは
http://saw5.asmik-ace.co.jp/main.html
となっています。

* * *

娘を持ってわかったことがある。
世界で一番いい女は自分の娘だ。
娘に比べればそこらの女優やアイドルなんかウンコみたいなもんだ。
これを酒の席で息子しか持たない友人に言って、顔が曇ったのを見て「しまった」と思った。
でも、申し訳ないがこれは事実だ。
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2008年12月01日

裸エプロン

裸エプロンの良さがわからない。

よく男同士のくだらない会話の中で「新婚時代のあこがれシチュエーション」的に語られることが多いのだけれど、僕にとっては鼻フックとかスカトロと同じくらい意味がわからない。
なんで裸にエプロンなんか着せるんだ。
料理する姿として機能的でないし、日常的な状況としてありえないし、そもそもまるで美しくない。
それならまだ普通に着衣のエプロン姿を押し倒すほうがわびさびがある。

性的な嗜好を頭で理解しようとすることの無粋さは重々承知のうえで、いくら考えても裸エプロンの一体どこに性的な盛り上がりがあるのか本気で1ミリもわからない。

それなら過去の男にどんないやらしいことをしてあげたのかを克明に告白されながらするセックスのほうがよほど興奮するんだけど、まあ裸エプロン好きとどっちが変態かっていうと僕のほうになっちゃうんだろう。
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2008年11月24日

自転車

毎日30分は自転車に乗るという生活を1年以上続けていたけれど、最近はけっこう仕事が忙しかったうえに、数年前に肉離れした場所が急に痛み出したこともあって、10日ほどの間ほとんど乗れなかった。

それもようやく落ち着いてきて、このあいだ久しぶりに自転車に乗ったところ、歩行者が突然目の前に飛び出してきた。
僕は日頃から安全運転を心がけているし、彼のことは飛び出す前からよく見えていたので特にあわてることもなく避けたのだけれど、彼はこちらに気づいていなかったようで非常に驚いていた。

「ごめんなさい!」と彼は叫んだ。
僕は別に気にしていなかったので何も言わず通り過ぎて、すぐ先の赤信号で停止した。
すると彼が僕を追いかけてきて、もう一度「ごめんなさい!」と叫んだ。
見ると、明らかに顔つきが健常者ではない。
おそらくは自閉症だと思われるが、僕の身近な人にそういう人がいないので確信は持てない。
「ごめんなさい!」と彼はまた叫んだ。
僕はどうしていいかわからなかったけれど、とりあえずにっこりと笑って「だいじょうぶです」と言ってみた。
しかし彼はますます真剣な顔で「ごめんなさい!」と叫んだ。

おそらく彼なりに許しを求めているのだ、とこのとき悟った。
そして僕の「だいじょうぶです」は不正解だった。
彼の中での許しを得られないかぎり、彼は謝りつづけるしかないのだ。

でも僕に彼の正解なんてわかるわけもない。
僕は前を向いて信号を見つめる以外に何もできなかった。
信号が青になると同時に強くペダルを踏み込んで、もう振り返らなかった。
彼は遠くからずっと「ごめんなさい!」と叫んでいた。
僕のほうが泣きそうだった。
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2008年11月14日

Y氏について(7)

いいかげん長くなったのでもう一気にまとめて書いてしまうけれど、僕は単なる顔見知りレベルの人とか、ご無沙汰すぎて気まずい人とか、とにかくYの消息を尋ねるためにいろいろな人と連絡を取った。
どうにか以下の情報が手に入ったものの、結論から言えばYは現在も行方不明である。

・Yの住居はいまだ無施錠のまま空き家となっており、失踪後はYが一時的にも帰宅した形跡はない。
・失踪直前にYは実家を訪れていた。
・その後、ご両親の預金通帳と印鑑が盗まれていることが発覚した。
・そして数日後、都内で数万円の引き落としが確認された。
・引き落とされたのが小額である点から、Yがなんらかの犯罪に巻き込まれたというよりは、Y自身の生活費を得るための親族間窃盗であったと考えられる。
・ゆえに、あえてご実家では窃盗の件を警察には届けていないという。
・ただし彼自身の失踪についてはすでに捜索願が出され、公的な事件となっている。

同じようにYを心配する人たちと連絡を取り合ってはいるけれど、もう僕にできることは、いつか彼がふらっと戻ってきてくれることをただ待つのみである。
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2008年11月07日

Y氏について(6)

Yと僕に、Mというライターを加えて、3人で大きな仕事をしたことがある。
僕らはとてもうまく連携できて、とてもいい記事が作れた。
読者人気もダントツで良かったし、業界内でも評判となった。
今でもいろいろなところで「ああ、あの記事の」と言われるくらいだ。

Mは才能があるのに謙虚で、誰からも好かれていた。
僕も彼の柔らかい物腰がとても好きだった。
彼が趣味でDJをやっているというクラブに差し入れを持っていったりと、あまり友達を作らないタイプの僕にしては親しくしていたほうだと思う。

しかし僕が別の編集部にしばらく入り浸っているうちにMとはだんだんと疎遠になっていき、ある日Yと久々に飲んだときに突然Mの訃報を聞いた。
Mは遺書も残さず動機も不明のまま自殺してしまった。
いくつもの仕事を抱えたままだったこともあり、周囲を大いに混乱させたという。
YはMが自殺した当時も彼の担当編集者であり、当時を振り返りながら「とにかく大変でしたよ」と言った。
疎遠だった僕はまるで蚊帳の外で、葬式に出ることもかなわず、すっかりすべてが終わったあとに聞かされたわけだ。
彼ほどの好人物がなぜ死ななければならないのか、僕にはまったくわからなかった。
僕よりもかっこいいラフが作れたし、友達も多かったし、おしゃれでハンサムだった。
これほどだめな僕ですら死ぬ気になんかならないのに、なぜ彼が。

僕はいまだにMのことを思うと切なくなる。
彼の交友関係からすれば僕なんか取るに足らない存在だったかもしれないけれど、僕はもし彼に何か相談されればいくらでも力になるつもりでいた。
しかし彼は僕に一言もなく命を絶った。

そして今は僕に何の相談もないままYが失踪してしまっている。
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2008年11月04日

Y氏について(5)

ところでYにはもう何年も恋人がいなかった。
僕はそれなりにうまく生きているので比較的そっち方面には強くて、ゆえによく知り合いに女の子を紹介することがあるのだけれど、Yにかぎっては誰も紹介したことがなかった。
Yは恋人として付き合うには明らかに問題がありすぎる。少なくとも僕の大事な知り合いに彼をお奨めすることはできない。
最後にYが交際していた女の子と僕とは仕事上の関わりがあるのだけれど、彼の親友というだけで今でもよそよそしい態度を取られる。
言葉にこそしないものの、もはや彼のことなんて思い出すのもごめんだという顔をする。はっきりと、何の遠慮もなく。

そんなYと先日飲んだとき、僕はついに、女の子を紹介するよと言ってみた。
彼の精神状態がときどき不安定になるのは何年も恋人がいないせいかもしれないし、彼からの恩を少しでも返したい思いもあった。
もう二度と失踪してほしくないという気持ちもあった。
彼がぜひよろしくお願いしますと笑顔で言ったので僕はすっかりその気でいた。
そんな矢先に、3度目の失踪だった。

編集部からの連絡によると、彼の住む部屋は無施錠のまま無人になっており、北関東にある彼の実家にも戻っていないらしい。
自宅に引きこもっていたというこれまでの失踪とは違うようだ。

僕からも連絡してみますと言って電話を切り、まずYの携帯に電話をかけてみた。
コールもなく、そのまま留守番電話になった。心配してるので連絡をくださいと伝言を入れた。
メールをしてみた。返事は来ない。
ミクシィをチェックしてみた。彼はもう3日以上ログインしていなかった。
やはり今回はこれまでとは違う、と感じた。
いちおうミクシィ内のメッセージも送信しておいた。
さしあたって僕にできることはそれだけだった。

数日経ってもYからの返事はなかった。
しかしまあ、おかしなところはあるけれど死ぬようなタイプじゃない。
どこかでのんびり自由を満喫しているに違いない。
やはり彼に女の子なんて紹介できない、とあらためて思った。

無施錠で失踪というのが少々気にかかったものの、それから1ヶ月、僕はただ彼からの連絡を待った。
しかしついに彼からの連絡は途絶えたままだった。
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2008年11月02日

Y氏について(4)

またかと思いつつ何も知らないふりをして電話を切り、ミクシィをチェックすると、やはりつい数分前にログインした履歴がある。
僕はまたYにメッセージを送った。しかし今度はまったく返信がなかった。

それから2ヶ月後、僕もすっかり諦めていた頃にYからの返事が来た。
「とりあえず生きてます。まずはご連絡まで」
あまりに簡潔すぎる内容に呆れたが、気長に待つので何かあったら連絡するようにと返信するにとどめた。

それに対する返信はなく、さらに4ヶ月が経過したある日、またすっかり諦めていた頃にメッセージが届く。
「長らくご無沙汰しておりましたが、ようやく他社で働く形になりそうです。またご連絡します」
僕がすぐに再就職を祝う言葉を送ると、10日後、再びメッセージが届いた。
今度は、彼の具体的な再就職先と部署名、さらにまたも仕事を依頼したい旨が記されていた。
僕はもちろん大いに歓迎すると返信した。そしてまた飲みに行こうとも書いておいた。

それから数日後、Yから飲みませんかという電話があり、僕らは半年以上ぶりの再会を果たした。
彼は突然退職した理由についてはまた言葉をにごしたが「自宅に引きこもってました」とだけ言った。
見た目はすっかり元気そうで、本人も「すっかり元気になりました」と言ったので、僕は心から安心した。
彼は以前と同じようにたくさんビールを飲んだ。まったく何の問題もない、僕の知っているYだった。
いきなり連絡がつかなくなるのはさびしいからもうやめてねと念を押すと「わかりました」と彼は笑顔で応えた。

彼の再就職先は某企業の広報で、僕はそこでも広告制作の仕事をもらい、またも破格のギャラを受け取った。
打ち上げと称してステーキもおごってもらった。会社の金だから大丈夫です、と彼は言った。
さらに彼は某出版社へのコネがあるからそこにも僕を紹介したいと言った。
「誰かいいライターいないかと言われまして」
「僕でいいの?」
「ハジメさん以上のライターを僕は知りません」
そんなふうに持ち上げられて、僕はまた新しい編集部を紹介された。

その編集部との初顔合わせのとき、僕は「もう歳なので徹夜はできません」なんて言ってしまったにもかかわらず、Yさんの紹介ならまったく問題ないでしょう、と言われて、いきなり大きな仕事を何十ページももらった。
Yに感謝の電話を入れると「今日飲みにいきませんか」と言われた。もちろん僕はOKした。
彼はまたもたくさんビールを飲んだ。話も大いに盛り上がった。そしてまたも彼は僕にお金を払わせなかった。

それから1週間後、Yが紹介してくれたばかりの編集部からメールがあった。
新しい仕事の詳細かと思ってメールを開くと、文面は以下のようなものであった。
「Yが会社を無断で休み続けているという連絡がこちらに入ったんですが、ハジメさん何か知りませんか」
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2008年10月31日

Y氏について(3)

Yのメッセージはおよそ以下のような内容であった。
・連絡が遅れたことへの謝罪。
・欠勤の理由は、自分が給料分の仕事ができているか自信をなくしてしまっていたこと。
・おそらく会社は辞めることになるであろうとのこと。

僕の知るかぎり、Yは最も仕事のできる編集者のひとりである。
そんな彼が自信をなくすのであれば僕なんかとっくに廃業している。
僕は、できれば辞めない方向で考えるべきではないかとやんわり薦めつつ、しかし今後どう転んでも僕らは友達だからねと書いた。
しかし次の彼の返信は退職の報告であった。

何日も無断欠勤を続けたにもかかわらず強い慰留を受けたが、彼の辞意は変わらなかった。
次の就職先は未定で、少なくとも数ヶ月は休養するつもりだという。
残念ではあったが無理強いはできない。気が向いたら飲みにいってほしいとの返事を書いた。僕にできることはそれだけだった。

Yからはそのまま数ヶ月音沙汰がなく、僕も特に連絡を取らなかったが、ある日、不意にメールが届いた。
「その節はご迷惑をおかけしました。このたび、再就職が決まりましたのでご連絡いたします」から始まるメールは、今度の転職先は出版社ではなく、広告会社であることを告げていた。
そしてそのメールはこう締めくくられていた。
「広告のほうでも、ぜひお力をお借りできればと存じます」
もちろん僕に異存はなかった。彼からの仕事なら何にも優先して引き受けよう。
僕は気持ちのままを書いて返信した。

数週後、Yから仕事の依頼がきた。
広告の制作であった。
相場からしてもかなり破格であり、僕はまたもや彼に借りができる形となった。
あいかわらずおごると言っても断られるし、経費にできますからと言われて逆におごってもらえる始末。
なんとか恩返ししたいと思っていた矢先、彼の所属する広告会社から電話があった。
「Yがどこいったか知りませんか?」
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2008年10月24日

Y氏について(2)

無断欠勤。僕の知るYの性格からは考えられないことだった。
急病、意識不明……、いやな予感がよぎる。
とりあえずこちらからもYに連絡してみる旨を伝えて電話を切り、さっそく彼に電話をしてみた。

……やはり出てくれない。
となると、もう直接自宅へ……いや、だめだ。
僕とYとはわりと親しい友人のはずだけれど、そういえば彼は自宅の住所を僕に教えてくれていなかった。
男同士の付き合いというのは総じて大雑把であるという事実を僕は痛感しなければならなかった。
しかしおそらく自宅にはD出版社の人間が訪ねていってくれるだろう。
さて、僕には何ができる。

ふと、Yとマイミクであることを思い出した。
彼はよくミクシィの話題を口にしていたから、もしかしたらもしかするかもしれない。
僕は、会員にはなったもののほとんど見ていないミクシィにログインしてみた。

ビンゴ。
彼がつい数分前にログインしたことを示す履歴が残っていた。
とりあえず生きていたことに安心しつつ、僕はYにミクシィ内のメッセージを送信した。
僕は連絡つかなかったふりをしておくから自分から出版社に連絡するように、と。

それから数時間おきにミクシィをチェックしてみたが、Yからの返信は来なかった。
しかしYのログイン履歴はいつ見ても新しく、生きていることは間違いなさそうだ。
僕としてはもうそれで十分だった。
本人の気が済むまで自由を満喫するといい。

そう思って放置を決めこんでから数日後、ついにYからメッセージが返ってきた。
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2008年10月23日

Y氏について(1)

今回、ある事件があった。
僕の友人で、仕事上でも重要なパートナーのひとりであるYに関することだ。
この話はたぶん長くなるので、数回に分けることにする。

Yとの付き合いはもう12年ほどになるが、彼はその間に6つの職場を転々としている。
短い期間で転職を繰り返す理由は彼が正直に話さないのでよくわからないが、端的には一種の病気であると言える。
ふだんの彼は非常に明るく、常識的かつ能動的で、周囲への気配りが行き届いており、機知に富んだ会話ができ、人懐っこく誰からも憎まれることのない、きわめて人望の高い人物だ。
僕も彼と組んで数え切れないほどの仕事をしており、これまでの人生で最も世話になった人物と言っても差し支えない。
一方的にではあるが、生涯をともにする友人のひとりだと思っている。

最初は同じA出版社での同僚だった。
Yが先に辞めてB出版社へ行き、僕はフリーライターへの道を選んだ。
彼は円満に退社したが、僕は半ば喧嘩に近い形で辞めたので、A出版社からの仕事はもらえるわけもなく、僕は彼を頼った。
彼は「ハジメさんだったら大歓迎です」と言って、たくさんの仕事を与えてくれた。
数年後、彼はB出版社も辞め、C出版社へ転職する。
僕は彼の紹介でC出版社からもたくさんの仕事を請けることができた。
しかしC出版社も、しばらくして辞めてしまう。
話すと長くなる些細な出来事を抜きにすれば、ここまでは円満退社と言っていい。

その後、YはD出版社に転職し、そこでも新たな仕事を与えてくれた。
この時点での僕の仕事の大半は彼からの紹介と言ってよかった。
僕が毎度の厚意への感謝を述べると、彼は「こちらこそ、いつも引き受けていただいて感謝してます」と応えた。「それに、僕が辞めた出版社からも引き続き仕事が来るのは、純粋にハジメさんの実力ですよ」
僕が彼と飲みに行った際、何度おごると言っても、彼は決して僕に支払わせてくれなかった。

しかしD出版社は少し特殊な業務が多かったため、僕へのニーズは少なく、僕がB出版社やC出版社などからの仕事に忙殺されるうちに、Yとの連絡はだんだん少なくなっていった。
そんなある日、D出版社から僕に電話がかかってくる。
「突然すみません、Yと最近連絡取ってますか」
「いえ、どうしてですか」
「社内の事情で恥ずかしいかぎりなんですが、実はここ3日ほど無断で欠勤してまして、仲のいいハジメさんなら何かご存知かと」
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2008年10月17日

戸惑う指示

僕はもともと右脳がそれほど優秀でないため、ライターの作業の中でもラフレイアウトの作成が最も苦手だったのだが、さすがに何千ページもの記事を作るうちに、だんだんと右脳の無能さを経験でカバーできるようになってきた。
僕の昔のラフを見ると、大した意図もなく、ただ見た目のかっこよさだけを追求したものが多かったりして少し恥ずかしいのだが、現在では必要な情報を奇をてらわずに組んでいくだけで、そこそこのラフを作ることができる。

さて。
こないだ初めて仕事をした編集者が、僕のラフに修正指示を出してきた。
修正指示をもらうこと自体は珍しくないし、そのことには何の抵抗もないのだけれど、その指示に僕は大きな戸惑いを覚えた。

だいたいラフには、うまくいった部分とそうでない部分が存在していて、いくら人によってセンスの違いがあるとはいえ、指示をもらうのは必ず後者と決まっている。
しかし彼の指示は僕がそのラフで最もうまく行ったと思う部分に向けられており、こんなことは僕のライター人生でも初めてのことだった。

僕は相手の指示どおりに黙々とラフを修正し、再提出した。
それから妻を呼んで修正前のラフと修正後のラフを見せた。
「このラフ、どっちがいいと思う?」
妻はもちろん即時に僕が最初に作ったラフを選んだ。
自信を持って言うけれど、10人つかまえて同じ質問をしても、間違いなく同じ結果になる。
単なる「センスの違い」では片付けられないほどの崩壊がそこにはあった。

普段から仲良くしている編集者が相手なら別だが、ただ指示に従えばお金をもらえる立場の僕が、わざわざ忠言してさしあげる必要はない。
にやにやしながら修正するのみである。

そういえば高校時代、僕の作文を添削した山田俊治先生が、一箇所だけ「の」を「が」に訂正してきた。
どちらでも文法的には誤りではないものの、流れの美しさでは「の」がしっくりする場面であり、「センスねえなこの人」と思いつつも訂正して再提出すると、なんと今度はその「が」を「の」に訂正してきた。
僕は文句を言う気も失せて「先生疲れてますね」とだけ言った。
山田先生は「おう、お前らのヘタクソな文章ばっかり見てて疲れたんだよ俺は」と応じた。
山田先生、どちらの国語力が高いか、ためしに10人くらいに聞いてみましょうか。
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2008年10月13日

こびとさん待ち

1週間前に引き受けた4ページのラフがまだ作れていない。
集中してしまえば2、3時間で終わる仕事だ。

それが終わらないせいで僕は、ご飯を食べていてもテレビを見ていても100%楽しめないわけだが、気分が乗らないものは仕方ない。
10万円にもならない仕事だし、今となってはむしろ引き受けなければよかったとさえ思う。
もちろん今更ことわるわけにはいかない。
初対面のときから僕は遅いですよと偉そうに言っているので、とっくに締め切りを過ぎても相手は電話をかけてくるでもなくおとなしく待っている。
さすがに火曜の夕方くらいになればおそるおそる電話してくるだろう。

こんな時間にブログなんか更新してる暇があったら、と僕は自分に呆れる。
もうこんなことを何年繰り返したかな。
時給100万、週休6日くらいで楽な仕事があれば紹介してください。

* * *

天皇制の存続にはわりと積極的に賛成の立場だけれど、愛子さまが運動会で流すように走って余裕で1位になって「愛子さま運動会でご活躍」ってニュースを見たときはさすがに寒気がした。
誰か空気読まずにガチで追い抜いて思い知らせろ。
posted by ハジメ at 05:02| Comment(2) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月09日

自転車乗りの男女観

ここ1年以上、毎日最低でも30分は自転車に乗っている。
そして気づいたことは、まったく左右を見ずに突然飛び出してくるのは9割以上が女性という事実だ。

この事実だけを見れば「女性は自分勝手だ」という論拠になりかねないのだが、その一方で、路上喫煙禁止区域でタバコを吸ってるのは9割どころかほぼ10割が男性である。

要は当然のことながら男女ともに一定の割合で無神経なバカがいるということだ。
そのうえで、男性のほうがより他人からの白い目に無頓着であり、女性のほうがより周囲への注意力が低い傾向があると言える。
posted by ハジメ at 20:00| Comment(0) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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